夏が終わってしまう。
去年はあんなにダラダラと暑さが続いていたのに、
今年は何だか味気ない。
まだ9月にもなっていないから、
この先の事は分からないけど。
でも、
僕の頭の中では、
何となく一区切りついてしまった。
そうなると、
もしこの先暑くなったりすれば、
暑い秋になってしまう。
暑い夏は好きだけど、
暑い秋は好きになれない。
でも、
暑い冬は大歓迎だけどね。
とか言ってる間に、
今日も暑くなりそうだ。
山の中に行けば、
まだまだ色々騒がしい。
大量の蝉が鳴き、
鳥が鳴き、
木々が鳴く。
風が吹き、
サラサラと音をたてていた草花は、
今ではカサカサと乾いた音をたてている。
力尽きた蝉も、
足元でバタバタと乾いた音をたてている。
音が少しずつ乾いてゆく。
夏が乾いて秋の気配。
窓から夕陽が差し込んでくる。
ふり向けば、
ドアの隙間から秋がしのび込み、
僕の部屋の夏が乾いて行く。
僕の絨毯も乾いてゆく。
僕の本も乾いてゆく。
みんな乾いて、
僕も部屋も秋に包まれ、
赤くなって、
黒に染まる。