2012/10/12

ひとりぼっちで老いさせて




こんにちは。

僕の住んでいる辺りは童謡の”里の秋”の歌詞のとおりとっても静か。
鳥の鳴き声や、
遠くで稲刈りしているコンバインのピッ、ピッ、ピッという音しか聞こえてこない。
空を見上げると鰯雲を背に鴨がV字で飛んでいます。
何処かで焼いている米の籾殻(もみがら)の香ばしい香りが漂ってきて、
あぁ~、今年もあとわずかやねぇ~と、しみじみ・・・
秋って、秋なんて・・・

はぁ~・・・

こんなため息交じりの僕のブログですが、
今日も少しお付き合い願います~























この間、おじさんん家の田んぼの稲刈りを手伝いました。
僕が小さい頃は従兄弟や親戚が集まって、
大人数で田植えや稲刈りを手伝っていました。
皆で刈った稲を縛ってハザなるものに掛けて天日干し。
結構な重労働ですが、
子供の僕には半分遊びのようなもの。
子供で背が小さいから稲を掛けることも出来ないし、
稲の束をきつく縛ることも出来ない。
何か手伝っているようでいて、
邪魔してるだけ。
それより、
外で皆と昼飯におにぎりなんかを食べるのが、
とても楽しかった。
ピクニック気分でしたね~

その後、
徐々に機械が便利になるにつれ、
手伝いが一人減り、
二人減り、
三人減り、
・・・。
今では子供の頃より世話をする田んぼの数が増えているのに、
たった二~三人で全て出来てしまう。
良いのか、悪いのか、
今はそういう時代なんでしょうか?
そのたった二~三人の中のメンバーに入っている僕。
朝から日が暮れるまでみっちりお手伝い。
機械が便利になったとはいえ所詮は機械。
お手伝いロボットではありませんから、
結局は人力が必要とされ、
何やかやと重労働な訳でございます。
でも、
隣近所で一人で稲刈りをしている爺さんの多いこと・・・
後継者もなく、
70代の爺さんがひとりコンバインの上で揺れている。
 今はそういう時代なんでしょうね~




















僕が住んでいる町も昔は村と呼ばれていました。
村にはいろいろな決まりや風習があり、
それを守ることが、
村人の安全や生活を守ることに繋がっていました。
でもそんな関係は日に日に薄くなって、
徐々になくなろうとしています。
昔話のように盗賊がでたり、
鬼がでたり、
サルが山から人間の嫁をもらいに来たりもしなくなりましたからね~
自分の事は自分でだいたい守れます。
電話すりゃ警察だって来てくれるし、
分からないことはインターネットでポン!
隣の家に醤油を借りに行くだなんて、
今の時代じゃ考えられない。
昔なら僕のような独り者は、
早く結婚しろ、
なんで結婚しないんだ!
身体がどこか悪いのか?
もしかして×××が××××××なのか!?
と、僕がしらない村の人からでも色々と言われかねませんが、
今はおじさんからしか言われない。(一応は言われてる)
昔から村にあった行事はどんどん無くなって行き、
かわりに何処の町でもやっている、
伝統もへったくれもない子ども神輿なんか催されますが、
だからと言って神社で遊ぶ子供が増える訳でもなく、
祭りの意味なんてどうでもよくて、
思い出の写真やビデオが残されるだけ。
ちょっと面白映像が撮れたらYouTubeにアップ。

今はそんな時代なんですね。





























村で育ち、
近所に親戚やなんかが沢山いて、
何やかやと煩わしく、
やっと村から、親から、ご近所から飛び出して、
都会で一人暮らしを始めた20代。
でも・・・
エレベータですれ違う人に”今晩は”と挨拶しても無視され、
隣の部屋に越してきた婆さんが挨拶に来たのかと思えば、
こっちの部屋のほうが広いわね!
と部屋を覗きに来ただけで、
その後、
その婆さんとすれ違っても無視される。
不意にピンポ~ンと誰かが来たかと思えば、
NHKの集金・・・
ドアの鍵を閉めずに部屋で過ごしていたら、
不意にドアの閉まる音がして、
変だなと覗き窓から覗くと、
知らない男(多分空き巣)が立ち去ってゆく・・・

と、都会って、
都会なんて、
・・・。


時代は常に変わっていて、
益々個を尊重する時代に成って来ているのに、
なんとも世知辛い。

イイ感じのプライベート感をつくるのは、
非常に難しいんでしょうね。
世間と離れすぎず、
近すぎず・・・

イイ~感じに心が躍るひとりぼっちで過ごしたい、
そんな、
独りよがりの独り言。









ひとりぼっちで躍らせて 研ナオコ