2013/10/18

愚情







こんにちは。
大荒れだった今回の台風。
又しても大きな爪跡を残して行きました。
見馴れた風景も通い馴れた場所も、
簡単に恐ろしい場所に変わってしまいますね。
いくら気を付けていたって、
起こる時は起こってしまう。
本当、
自然と言うものは、
人の事なんてこれっぽっちも考えてはくれないもんです。
僕たちはただただ地球に張り付いて、
右往左往しながら生活してるだけ。
人は、
言葉や文字が使えるってだけで想像主になった気になり、
エコだの自然保護だのと都合の良い思い上がりをしてしまう。
自然とは互いを喰い合いするもの。
共存なんてそう見えているだけで、
ほんとうは誰もそんな事を考えてない。
食べれる物を食べているだけ。
バランス良く見えているのはたまたま。
自然なんて簡単に崩壊してしまいます。
自分で産み出しているようでいて、
全てはたまたまで出来ている。
偶然の積み重ねでこの世は成り立っているんでしょうね。
そんなバランスの悪い思考の僕のブログにようこそ。
今日あなたに、
ここに訪れたことは必然だった!
と、思って貰える事を願う矛盾している僕ですが、
今日も少しお付き合いくださいませ。






































僕が子供の頃、
家の近所に小さな沼が幾つかあり、
そこにはザリガニが沢山棲んでいました。
僕たちはよくそこでザリガニ釣りをしていました。
ザリガニを釣るには、
最初に駄菓子屋でよっちゃんイカを一本だけ買い、
そのよっちゃんイカを半分だけ自分で食べて、
残りの半分を凧糸に結び付けそれをエサにしてザリガニを釣る。
何匹かはそのイカで釣れるんですが、
終いにはエサのよっちゃんイカはザリガニに取られてしまう。
引き続きザリガニを釣る時は、
既に捕まえてあるハサミが小さくて色があまり赤くないザリガニを解体し、
その尻尾の身で次のザリガニを釣っていました。
今だと残酷で、
とてもできない事を平気でやっていました。

僕の近所の家の庭に畑があり、
そこには水生の農作物用に水が張ってありました。
何となく気になった僕、
ある時こっそりその畑に忍び込み、
その水が張られている所を見てみると、
そこには、
カエルやおたまじゃくし、
ヤゴ、小鮒、メダカ、ザリガニなどが沢山棲んでいました。
小さな水溜りみたいな処に生き物がひしめいている。
僕は急いで家に帰り、
網とバケツを持って来てそれらの生き物を沢山捕まえました。
思わぬ穴場に興奮したものです。
数日後、
僕は友達にその家の畑の事を教え、
その友達と一緒にザリガニなどを捕りにその家に行くことになりました。
二人でこっそり畑に忍び込み、
網で生き物達をすくい出したその時・・・
”コラーッ!!”
”なにしてるっ!”
と、畑の横にある家の、
2階の窓からこの畑の持ち主の爺さんが怒鳴ってきました。
ビックリして飛び上がった僕達。
僕は震える声で、
魚をとってますぅぅぅ・・・・”
と、答えますと、
爺さんは、
”お前ら何処の子や!
人の家のもん捕るのは泥棒やど!
警察呼んだるからそこ動くなよ!!!”
と、
それはそれは恐ろしい事を言われてしまいました。
僕たちは一目散にお互い自分の家に逃げ帰り、
起こられるの覚悟で父に今あった事を告げました。
父は、
人の家の畑に忍び込んだ事は叱りましたが、
警察を呼ぶってのは嘘だから心配するな。
と、言いました。
しかし僕は、
もしかしたら警察が本当に来るかもしれない。
やっぱり逮捕されちゃうんだろうか?
少年鑑別所に入れられるんだろうか?
財布とか作らされるんだろうか?
などなど、
小鮒一匹でえらい妄想。
その日は家から出れなくなって、
震える夜を迎えました。
警察って響きは、
小さな子供にも有効な脅し文句でした。
しかし翌日。
警察が来る訳もなく、いつもの朝。
なんだ、
父親が言ってたようにほんとに嘘なんだ!
と、安心した僕。
そうなるとリベンジしたくなって来た。
結局まったく懲りていない。
よく観察すると、
そこの爺さんは田んぼの様子を見に時々自転車で出て行く事が判明。
家の前に自転車が無い日が狙い目です。
僕はしょっちゅう自転車をチェックしていたんですが、
僕が見る時は何時も自転車がある。
来る日も、来る日も自転車がある。
そして一月後、
終に自転車が無い日がありました。
今だ!
急いで網を取りに帰り、
大急ぎで戻って来て畑に忍び込むと、
畑の水溜りはすっかり無くなり、
水溜りのあった所にはジャガイモが植えられていました。









































子供の頃過ごしていた実家の、
2階の窓の雨戸をしまう戸袋の上に小さなスペースがありました。
ある時、鳩がそこに巣をつくりました。
こっそり窓から見ていると、
鳩のつがいが一生懸命に小枝を運んできます。
僕は何故かワクワクし、
時々彼らの巣の出来具合を見ていました。
最初は僕が巣を覗くと鳩は逃げていましたが、
数回後には、
僕は何もしないと思ったのか、
僕が覗いても全く逃げなくなりました。
そうなると可愛くなる。
僕は時々米粒を持って来て巣の横に置いてやるようになりました。
しかし、
父は鳩がとても気に入らない。
巣が出来ればその辺は彼らの糞だらけ。
おまけにあの陰鬱な鳴き声。
朝だろうが、昼だろうが、鳴いている。
だから、
僕がこっそりあげている米粒は父親にはナイショ。
ばれたら叱られてしまいます。
そんなこんなである時巣を覗くと、
3つの卵が産まれていました。
とても感激した僕。
何時もにも増して米粒を運んでしまう僕でありました。
数日が過ぎ、
ある朝何時もの陰鬱な鳩の鳴き声にまじり、
か細い鳴き声が聴こえてきました。
もしや!と、巣を覗いてみると、
3つの卵から黄色い産毛を生やした3羽のヒナが孵っていました。
それはとても可愛いかった!
それから日を追うごとに育って行くヒナ。
肌色だった身体は黒ずみだし、
黄色い産毛がよく目立つようになりました。
羽も生え出し、
丸々と大きくなってきた彼ら。
しかし、
父には我慢の限界が来ていたようです。
最初は2羽の鳴き声だけだったのが、
今では5羽の鳴き声に増えてしまい、
日曜の朝から彼らの大合唱。
まぁ、
僕にとってもさすがに煩くないとはいえない状況でした。
ある日曜日の朝、
父は鳩の巣を撤去してしまいました。
追い払われた親鳩。
ダンボールで閉ざされた戸袋の上。
残された3羽の鳩のヒナ。
そして、
大量に食べ残されていた、
僕がこっそりあげた米粒を発見した父からの大目玉。
さすがにヒナを捨てたりは出来なかった父。
彼らを育てる事にしました。
ペットショップで鳩のエサを買ってもらい、
水にふやかして与えてみると、
ちゃんと食べる。
しばらく彼らを箱に入れて網状の蓋をし、
表の軒下で飼っていました。
まだ飛べないけど、
親とほぼ同じ大きさに育ったある朝。
何時ものように鳩にエサをやろうと表に出ると、
鳩が入っていた箱の蓋が外れていました。
箱の中は空っぽ。
そして、
家の庭に散乱する鳩の羽・・・
夜のうちに猫か何かに襲われたようで、
植え木の下で息絶えた2羽の鳩の死骸を見つけました。
あとのもう1羽は犯人が何処かへ連れ去ったようです。
僕は死骸を前に何とも情けない気持ちになりました。
その当時、
僕の家にはイチと言う秋田犬が夜だけ庭で放し飼いにしていたんですが、
何の番犬にもなっていませんでした。
最初はイチの仕業じゃないだろうか?
と、疑われていましたが、
イチはとてもおとなしく、その当時は子育て中だったため、
猫に気が行かなかったのか、
もしかしたら本当はイチの仕業なのか?
今ではイチもいませんから真相は分からない。
唯一分かっているのは、
鳩が死んだのは僕の責任だったって言う事だけ。








































あの頃に忍び込んだ畑は無くなり、
怖い爺さんももう居ない。
そこには大きな家が新しく建てられています。
鳩もいなくなり、
イチももういない。
そんな事がただただ続いてきたけど、
僕はたまたま、まだいます。
変わらないものは無いし、
終わらないものも無い。
今が終わりで、
今が始まり。
でも、
思い出が多くなりすぎて、
それが重しになってしまい、
動けなくなってしまう事があります。
大きな意味なんて無くて、
たまたま偶然ここにいるだけ。
たまたま、
愚かな想いにふけっているだけです。











わざわざここに訪れてくれた方、
たまたまここを訪れてくれた方、

愚にもつかない私のブログにお付き合い下さって、
誠にありがとうございました。

たまたまこちらに居る生き物たちは、
あなたの訪問を歓迎いたしております!
よかったら是非に~



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世情 中島みゆき