新しい年になった。
年明けは奈良でも結構な雪が降っていたけど、
昼過ぎには殆ど解けてしまった。
雪が降ると、
積もった雪が音を吸収する為かとても静かになる。
ただでさえ静かな僕の住む町は、
より一層静か。
子供の頃は、
もっと降れ!もっと積もれ!と思っていたけど、
今は雪が沢山積もった時の苦労が良く分かるから、
すぐ解けてしまうくらいがちょうど良い。
でも、
何も苦労が無いのなら、
もっと降れ!もっと積もれ!だろう。
どっさり積もった雪で大きな雪だるまを作りたい。
手が霜焼けになるくらい大きな雪の鎌倉を作ってみたい。
子供の頃に大好きだった真っ黒な僕の犬と真っ白な中で遊びたい。
新しい年を迎えたけど、
僕には相変わらず古い記憶が積もっている。
古い記憶を積載している為か、
ついつい足は馴染みの場所に向いてしまう。
馴染みの道、
馴染みの店、
馴染みの風景。
あるべきものがそこにある安堵感。
馴染みの味、
馴染みの匂い、
馴染みの感触。
足げに通ってしまうのは、
古い雪を時間に溶かされたくないからなんだろう。
勝手に区切った新しい年が過ぎてゆく。
解けたた昨日が僕に積もる。
積もり積もって、
僕もいつか解けて流れる。
今日も最後までお付き合い下さってありがとうございます。
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