2013/12/10

厚意の予感







こんにちは。
ヒラヒラ~、ハラハラ~,
と,
枯葉が舞い落ち、
色鮮やかに紅葉していた木々も色あせて行きますね。
辺りから色が消えてゆくと、
しんしんと静けさが増して来て、
聴こえるのは風の音だけ。
目の前の景色は淡く単純に見えてきます。
しかし、
淡色化する自然とは逆に、
人の生活は年末に向け色鮮やかになりだしています。
それに、
この時期は気持ちが何故だかソワソワしだし、
色んな事が頭の中でつむじ風に舞う枯葉の様にくるくる回りだす。
何から手を付ければいいのか、
そもそもそれは今必要なのか、
目まぐるしく回ってて何が何やら分からない。
ただただ、
ソワソワ、ザワザワ。
気ばかりが早り、
気が付けば年が明けている。
こんな感じが毎年繰り返されています。
まぁ、
独り者の年越しですから、
済ましておかなければいけない事なんて、
たいしてないんですよね。

しんしんと寒くなるのに、
ハラハラと枯葉が落ちるように髪の毛が舞う、
落葉頭な僕のブログにようこそ。
たぶん、
春になっても毛は生えてこない常禿樹の僕ですが、
今日も少しお付き合い下さいませ~





































この時期になりますと、
世間では鈴の音が響きだし、
聞いた事のある曲が何処かしこから聴こえて来る。
一緒に口ずさむ事もあれば、
一日中頭の中で繰り返されることもある。
日本では宗教的な意味合いは薄く、
ただ恒例になっているだけで、
色んな企業がそれに乗っかっているだけの正月前のお祝い事。
でも、
宗教的な意味合いが薄い分、
皆は各々そこに独特な意味を付けていますね。
子供の頃、
仏壇のある我が家でも、
この日には父がケーキを買ってきて、
コタツの上でロウソクに火を灯したものです。
でも、
ロウソクに火を灯すと、
何故か部屋の照明を消しちゃうんですよね。
確かに彼の方の誕生日なんでしょうが、
我が家では個人の誕生日とごっちゃになっていました。
この場合のロウソクの火を吹き消すのは、
いったい誰なんだろう。
そもそも、
僕の誕生日は忘れてしまう我が家族ですが、
他宗教の彼の方の誕生日は忘れないでケーキまで用意される。
ほんと、
有名人は得でありますね。
さて、
ケーキにロウソクを立て、
部屋の照明を落とし、
ケーキのおまけに付いていたクラッカーを鳴らすぐらいで、
後はご馳走がある訳でも、
円錐の帽子をかぶる訳でも無い。
ただ何時もの夕食にケーキが増えただけの恒例行事。
テレビの向こうの世界では、
様々なご馳走や、
赤白の服をまとった人々が楽しそうに騒いでる。
その夜寝る前に、
布団の頭元に薄汚れた靴下を置くものの、
彼の爺さんが袋を担いで我が家にやって来るとは思っておらず、
我が家に居るであろう彼の爺さん役の父も、
その薄汚れた靴下に何も入れたりしない。
ケーキがあっただけ。

きよしこの夜は気ままに
僕の心を躍らせるだけ
失意の予感がただかけぬけるだけ







































しかし、
全く何もしてもらえなかった訳でもありません。
父は家で商売をしていましたから、
悪い日もあれば良い日もある。
たまに商売がうまく行くと、
不意に何かを買ってくれたりします。
僕が中学1年生の頃、
僕は腕時計がとても欲しくなった事があります。
今なら100円均一ショップでも売ってそうですが、
その頃はやっぱり腕時計は高価なもの。
しかも、
子供の僕が買って貰えるような物ではありません。
ダメもとで父にねだったりしていましたが、
当然のごとく却下。
まぁ、しかたないかと諦めていました。
そんな事があってから数ヵ月後。
その頃父は仕事で夜遅く帰ってくる事が多く、
朝起きると隣で寝てたなんて事が常でした。
ある朝、
何故か早く目が覚めた僕。
ふと自分の左手を見るとそこに腕時計がはめられていました。
とっても驚いた僕。
そしてこれは父が買ってくれたんだと分かり、
とっても嬉しくなりました。
思わず父親を起こしたくなりましたが、
まずは一人で喜ぶ事に。
僕が欲しかったのは、
その当時流行りだしていたデジタル時計。
しかし僕の腕にはめられていたのは、
ミッキーマウスのアナログ腕時計。
文字盤の中央にミッキーマウスが描かれていて、
ミッキーの両腕が長針と短針になっていてました。
確かベルトは青と白のストライプ柄で、
ナイロンで編んだ物でした。
本当はスチール製のデジタル時計が欲しかったけど、
これはこれでとても嬉しかった。
しかし、
小さい僕の腕にこの腕時計は少し大きく、
ベルトの穴を一番小さいところに合わせてもブカブカ。
時間を見るため腕を見ても、
時計部分が下側に回ってしまう。
これではいけないと、
一人で家の隣にある父の工場に行き、
適当な道具で新しい穴を開け、
僕の腕にぴったり合うようにしました。
自分の腕にぴったり合う腕時計を見ると、
改めて嬉しさが増してきました。
その時ふと思う事がありました。
父は僕の兄にはどんな腕時計を買ったんだろうか?
僕はそれがとても気になり、
兄が寝ている処へ足を忍ばせました。
寝ている兄の左腕を見ると、
そこには腕時計はありませんでした。
もしかしたら右手にあるのかと見てみましたが、
無い。
これは酷い。
こんな事をされると手放しでは喜べない。
兄の気持ちを考えたら、
兄の前ではその時計を着けられない。
嬉しさで膨らんでいた僕の気持ちは、
急激にしぼんでしまいました。

当時、
何でもない顔をしていた兄ですが、
僕は常にそれが気にかかり、
何十年経った今でも忘れられない。
その後、
僕のミッキーマウスの腕時計は、
僕が高校生の頃に従姉妹の姉さんが、
貸してと言って持っていったきり帰ってこず。
父はそれを聞いて怒っていましたが、
僕は意外と悲しくは無くて、
何故だかとっても、
ホッとしていました。

父は気まぐれ
僕を惑わせるだけ
不本意の予感がただかけぬけるだけ








































人に何かをプレゼントする時、
何が良いのかと迷ってしまう。
相手の事を思い浮かべて考えるんですが、
実際に選ぶ物は、
自分が貰って嬉しい物だったりします。
多分、
自分の気持ちを奥に引っ込めて、
相手の身になって考えてるつもりが、
何時の間にやら奥の自分が前にこっそり出てきて、
相手の気持ちと同化してる。
でも、
それで良いんだと僕は思います。
本当にほしい物は、
自分で手に入れないと意味が無いんですよね。

誰かが自分の事に時間を割き、
好意を形にしてくれる。
それだけで良い。

厚意の予感がただかけぬけるだけ














故意にプレゼントをねだっているような、
僕のブログにお付き合い下さって、
誠にありがとうございました。
出来ればこちらの生き物達を懇意にして頂けるとうれしいです。
良かったら覗いてください。



こちらでイラスト描いてます

ダーク・ブランコ Dark blanco





恋の予感 安全地帯