2012/06/04

美しく吠える森


こんにちは。
6月になりましたね~
あちらこちらでカエル達が、
ジメジメした梅雨を呼んでいるかのように鳴いています。
池や沼ではウシガエルが陰気な声で鳴いており、
青々とした草や木、底の見えない池、
無数に寄って来る薮蚊などに、
人はまったく受け入れられていないんだなと、
疎外感を感じます。
ヴォ~ン、ヴォ~ン、ヴォ~ンと、
男っぽく低音で吠えているくせに、
びっくりして逃げる時はキャッ!と、やらかす。
隠れオネエなウシガエルの鳴く私のブログに今日も時間を割いてくださって、
誠にありがとう御座います。
それでは少しお付き合い下さいませ~





写真を撮る為に1人でよく山に行くんですが、
知らず知らずの内に、山の奥まで入ってしまう事がしばしばあります。
とは云え、狭い日本ですから、そこいら辺に秘境があるわけじゃ御座いません。
私の住んでいる奈良も大方は植林された山ばかり。
よっぽどじゃない限り迷って遭難なんかする事も無いんですが、
たまに熊ぐらいは出て来ます。
幸いにして私は今だ熊には遭遇した事はないんですが、
熊さん側は私をちょくちょく見かけていたかもしれませんね~
夜空を見上げると、最初は大きな星しか見えないけれど、
目が暗闇に慣れてくると、徐々に無数の星が見えてくる。
そんな感じで山の中も心に余裕が出てくると、
色々なものが感じられるようになります。
風にそよいで木々や葉のすれる音、
鳥の鳴き声、小さな虫の鳴き声
小さなカエル達の鳴き声、
啄木鳥が木を打つ音、
しつこい薮蚊、
しつこい虻、
雀蜂!、
~!







山は生き物の塊なんですよね。
こちらが動くと気配を消してしまいますが、
こちらが気配を消すと、
山は動き出します。

まったく動きを止めてジッとしばらくしていると、
ごそごそと何かが動き出す。
私が前にそれをしていたら、
前方から山猿が出てきて、
お互いびっくりした事がありました。
そんな私達をまた別の生き物が見ているんです。
山に入ると云う事は、
巨大な生き物の懐に入ってしまうと云う事なんですね~














遠くから眺める絶景。
青い山々が連なる様。
さまざまな緑色の深い森。
それらはごく当たり前の風景なんですが、
私達はそれを綺麗だと感じます。
でも、そんな山の中に真っ裸で放り出されれば、
綺麗だったものは恐怖でしかないものに変わってしまうんですよね。
自然の中で生きるのは危険と背中合わせ、
生き物にとって自然は恐怖以外の何者でもないんです。
あぁ~、綺麗やね~なんて悠長なことしてたら、
後ろからガブリ!でございます。
人が造った展望台で観るから、
景色が綺麗って言えるんでしょうね~
















屋根があるって素晴らしい!
電気があるって素晴らしい!
車があるって素晴らしい!
自然が怖いから、自然から離れだした私達。
文明は自然とはあいまみえない。
自然を救うだなんて大きな驕り。
共存なんて都合の良い綺麗事。
そんな綺麗は綺麗じゃないんですよね。
もう後戻りする気もないし、戻れないんだし、

出口無くして 森の入り口~♪

拒絶するようにウシガエルが吠えています。
救うつもりなら、もう入っちゃダメなんでしょうね~