2014/09/03

悠久はメリーゴーランド











9月になり、
あっさりと涼しくなってしまった。
なので、
日照不足で野菜の値段が上がってる。
この分だと、
今年の米にも何らかの影響が出るんだろう。
つくづく自然は正直で、
常にギリギリのバランスで成り立っているんだなぁ~。

窓の外ではツクツクボーシが鳴いている。
時計やカレンダーが無くても
当たり前のように繰り返される日々の変化。
大きく回っているこの世も、
常に大きなギリギリのバランスで成り立っているんだろう。
平和であるって事は、
ほんと、たまたまなんだろうな。
たまたまの上に成り立っている球の上に、
たまたま張り付いているだけの僕たち。
たまに笑って、
たまに泣いて、
たまたま生まれて、
たまたま死んで行く。
たまたま思い出されて、
終いに忘れ去られる。












































手を引かれて歩いたのは遠い昔。
肩車をされたのも遠い昔。
頭を撫でられたのも
遠い昔。
多分ここでそれらをしてもらっただろう。
多分ここで、
笑ったり、
泣いたり、
ねだったりしたんだろう。
僕が小さい足で駆けたであろう道には草が茂り、
僕がまたがったであろう回転木馬には、
埃が積もってる。

日々積もってゆく時間が、
動きを止めた物にのしかかる。
少しずつ重みを増して、
少しずつひしゃげて行く。

ひしゃげて、
歪んで、
無くなってしまえば、
美しい思い出だけが残るはずなんだけど、
僕はそれを思い出せない。

































































































もう誰もここで手をひかない。
誰も肩車しない。
誰も居ない。

ここに来るまですっかり忘れていたくせに、
ここに来て居なくなった家族と、
偶然会った様な気持ちになる。
過去が急に甦った時、
灯の消えていたメリーゴーランドが回りだす。
父が見守る中、
僕を乗せた馬は光の中を駆けている。
一週回って戻って来た時、
父は僕を見つけてくれるだろうか。
もし見つけてもらえなかったら、
見つけてもらえるまで止まらずに回っていたい。














今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます^^