2013/04/25

守ってくれない





こんにちは。
朝起きると、
雨どいがトントントンと鳴っていて、
表は春雨で白くけむっていました。
湿った空気が肌に心地良い今日この頃、
田舎の風景は一雨降るごとに変わって行きます。
冬とは全く違う風景なのに、
去年の今頃とは殆ど変わらなく見える田舎の風景。
でも、それを見ている僕は、
去年とはずい分変わって見えるんだろうか?
全く同じ瞬間が存在しないように、
全く同じ僕は存在しない。
1秒前の僕は、
今の僕とは違う僕。
明日会おうね!
と、約束しても、
明日に会った時の僕は、
約束した昨日の僕とは違う僕。
まぁ、
何が言いたいんだ?
と、問われれば、
街を歩くNewの付く人達を見て、
自分が益々老けて行くんだなぁ~と、
切なくなっただけ・・・
僕の身体から新芽は生えませんが、
花ぐらいは咲かせられると、息巻く僕のブログ。
まだまだ蕾も出てませんが、
優しさの肥料をもって、
今日も少しお付合い下さいませ~





































4月の世の中にはNewが溢れていますね。
今の時期に電車に乗ると、
幼稚園児や、小学生が遠足に行くのか
電車の中が大賑わいの時がありますよね。
最初に乗って来た時は少し静かなんですが、
だんだん我慢が出来なくなって、
終には大はしゃぎ。
まぁ、非常にやかましいんですが、
可愛いので許してしまう。
彼らは彼らの世界があり、
彼らの会話があり、
彼らの時間がある。
僕らとは近いようで別世界なんでしょうね。
僕もずい分昔にはNewが付いていましたから、
大人とは全く違う世界を過ごしていました。
でも、
子供は大人の世界と自分達子供の世界に、
違いが存在するとは思っていない。
少なくとも子供の頃の僕は、
違いなんて全くないと信じておりました。

僕には歳の離れた従姉妹がおりました。
僕が小学生の頃、彼女は大学生で、
よく遊んでくれていました。
車に乗せてもらい、
喫茶店に連れて行って貰ったり、
従姉妹の通う大学に連れて行ってもらったり、
聞いたことの無い音楽を聞かせてもらったり・・・
父親のような大人でもない、
若者の生活はとても刺激的でした。
そして、そんな事はずうっと続くと思っていました。
ある時、
従姉妹がスキー場にスキーをしに行く話をしてくれました。
僕はスキーをした事が無かったので、
道中の電車の話や、
スキー場のそばで泊まるロッジの話などを、
面白可笑しく聞かせてくれました。
僕の父親は、
そういう所へは僕を連れて行ってはくれません。
なので僕は、従姉妹の話に非常にそそられました。
そして、
僕があまりにも行きたそうな顔をしていたんでしょうね、
今度行く時に一緒に行く?と、
従姉妹が聞いてくれました。
もちろん僕は二つ返事でYes!
その日から僕は、
スキー場の想像をし、
何を着て行くかを考え、
電車で食べるおやつのレパートリーを、
駄菓子屋で思案しておりました。

1週間が過ぎました。
新しい手袋を買ってもらおうと思案中。

一月が過ぎました。
ソリは向こうで借りれるかなぁ~

2ヶ月がすぎました。
もう、ずい分暖かくなったけど、
天気予報では、
スキー場がある地域は、まだ雪がふっているみたいだから大丈夫。

やがて3ヶ月が過ぎ、
従姉妹が既にスキーに行っていたことを知りました。

凄く、
物凄く傷つきました。

連れて行ってもらえなかった事より、
約束していたことを忘れられていたことが、
とても悲しかった。

大人が軽い気持ちでした社交辞令的な約束。
そんなもの、
子供の世界じゃ通じないんです。














































僕には歳の離れた従兄弟がもう一人おりました。
僕が中学生の頃、彼は大学生で、
よく遊んでくれていました。
その当時、
神戸でポートピア博覧会が催され、
テレビでしきりにTVコマーシャルしておりました。
当然ながら、
子供の僕は非常に行きたかった。
何を催されているのか知らないけど、
その当時人気のバンドのゴダイゴが、
テーマソングを歌っているだけで、
僕はポートピア博覧会に行きたかった。
しかし僕の父は、
休みの日に近所の山寺には連れて行ってくれるけれど、
ポートピア博覧会には連れて行ってはくれませんでした。
あんなにTVコマーシャルでやっているのに、
何故連れて行ってくれないのか?
1970年の万博博覧会は連れて行ってもらったんですが、
僕は小さすぎて、
覚えているのは太陽の塔の出口の風景だけ・・・
新しい博覧会の記憶が欲しかった。
しかし父親は、
頑として僕を連れて行ってはくれない。
見かねた従兄弟が、
僕をポートピア博覧会に連れて行ってやる!
と、言ってくれました。
僕は非常に嬉しかった!
その日から僕は、
ポートピア博覧会の会場を夢想し、
売店で売られているであろう博覧会グッズを想像し、
もしかしたらゴダイゴに会えるかも!
と、胸を高鳴らせていました。

1週間が過ぎました。
行って来た同級生の話を聞き期待は高まります。

1ヶ月が過ぎました。
テレビ中継で見る風景に自分姿を重ね・・・

数ヶ月が過ぎ、
ポートピア博覧会は終了してしまいました。

か、悲しかった・・・

大人が軽い気持ちでした気休めの約束。
そんなもの、
子供の世界じゃ一生残る傷なんです。





































そんな風に過ごしてきたせいか、
”大人はいい加減な事を言うもんだ。”
”けっして他人に期待してはいけない。”
と、心に刻み育ちました。

そして、大人になった僕。
身近に子供が居なかったせいもあるんですが、
僕は子供と接するのが少し怖かった。
嫌いって訳じゃなく、
可愛いと思えるし、
遊んでやりたいとも思えるんですが・・・
もし、子供が何か僕に願い事をし、
僕が軽はずみに返事したりして、
僕のように悲しい思いをさせてしまうかもしれない!
と言う想像をしてしまう。

まぁ、
約束どころか、遊んでももらえないのが現実なんですけどね~

僕を苦しめるすべてのことから

守ってくれるのは、

案外、

子供の小さな手かも知れませんね。







今日も、

ちょっと気にし過ぎな僕のブログにお付き合い下さって、

ありがとうございました。

今回の写真は奈良県桜井市初瀬にある






只今、牡丹の花が見頃です。


そして、

こちらも少しは見頃かも・・・