こんにちは。
朝起きると、
雨どいがトントントンと鳴っていて、
表は春雨で白くけむっていました。
湿った空気が肌に心地良い今日この頃、
田舎の風景は一雨降るごとに変わって行きます。
冬とは全く違う風景なのに、
去年の今頃とは殆ど変わらなく見える田舎の風景。
でも、それを見ている僕は、
去年とはずい分変わって見えるんだろうか?
全く同じ瞬間が存在しないように、
全く同じ僕は存在しない。
1秒前の僕は、
今の僕とは違う僕。
明日会おうね!
と、約束しても、
明日に会った時の僕は、
約束した昨日の僕とは違う僕。
まぁ、
何が言いたいんだ?
と、問われれば、
街を歩くNewの付く人達を見て、
自分が益々老けて行くんだなぁ~と、
切なくなっただけ・・・
僕の身体から新芽は生えませんが、
花ぐらいは咲かせられると、息巻く僕のブログ。
まだまだ蕾も出てませんが、
優しさの肥料をもって、
今日も少しお付合い下さいませ~
4月の世の中にはNewが溢れていますね。
今の時期に電車に乗ると、
幼稚園児や、小学生が遠足に行くのか、
電車の中が大賑わいの時がありますよね。
最初に乗って来た時は少し静かなんですが、
だんだん我慢が出来なくなって、
終には大はしゃぎ。
まぁ、非常にやかましいんですが、
可愛いので許してしまう。
彼らは彼らの世界があり、
彼らの会話があり、
彼らの時間がある。
僕らとは近いようで別世界なんでしょうね。
僕もずい分昔にはNewが付いていましたから、
大人とは全く違う世界を過ごしていました。
でも、
子供は大人の世界と自分達子供の世界に、
違いが存在するとは思っていない。
少なくとも子供の頃の僕は、
違いなんて全くないと信じておりました。
僕には歳の離れた従姉妹がおりました。
僕が小学生の頃、彼女は大学生で、
よく遊んでくれていました。
車に乗せてもらい、
喫茶店に連れて行って貰ったり、
従姉妹の通う大学に連れて行ってもらったり、
聞いたことの無い音楽を聞かせてもらったり・・・
父親のような大人でもない、
若者の生活はとても刺激的でした。
そして、そんな事はずうっと続くと思っていました。
ある時、
従姉妹がスキー場にスキーをしに行く話をしてくれました。
僕はスキーをした事が無かったので、
道中の電車の話や、
スキー場のそばで泊まるロッジの話などを、
面白可笑しく聞かせてくれました。
僕の父親は、
そういう所へは僕を連れて行ってはくれません。
なので僕は、従姉妹の話に非常にそそられました。
そして、
僕があまりにも行きたそうな顔をしていたんでしょうね、
今度行く時に一緒に行く?と、
従姉妹が聞いてくれました。
もちろん僕は二つ返事でYes!
その日から僕は、
スキー場の想像をし、
何を着て行くかを考え、
電車で食べるおやつのレパートリーを、
駄菓子屋で思案しておりました。
1週間が過ぎました。
新しい手袋を買ってもらおうと思案中。
一月が過ぎました。
ソリは向こうで借りれるかなぁ~
2ヶ月がすぎました。
もう、ずい分暖かくなったけど、
天気予報では、
スキー場がある地域は、まだ雪がふっているみたいだから大丈夫。
やがて3ヶ月が過ぎ、
従姉妹が既にスキーに行っていたことを知りました。
凄く、
物凄く傷つきました。
連れて行ってもらえなかった事より、
約束していたことを忘れられていたことが、
とても悲しかった。
大人が軽い気持ちでした社交辞令的な約束。
そんなもの、
子供の世界じゃ通じないんです。
僕には歳の離れた従兄弟がもう一人おりました。
僕が中学生の頃、彼は大学生で、
よく遊んでくれていました。
その当時、
神戸でポートピア博覧会が催され、
テレビでしきりにTVコマーシャルしておりました。
当然ながら、
子供の僕は非常に行きたかった。
何を催されているのか知らないけど、
その当時人気のバンドのゴダイゴが、
テーマソングを歌っているだけで、
僕はポートピア博覧会に行きたかった。
しかし僕の父は、
休みの日に近所の山寺には連れて行ってくれるけれど、
ポートピア博覧会には連れて行ってはくれませんでした。
あんなにTVコマーシャルでやっているのに、
何故連れて行ってくれないのか?
1970年の万博博覧会は連れて行ってもらったんですが、
僕は小さすぎて、
覚えているのは太陽の塔の出口の風景だけ・・・
新しい博覧会の記憶が欲しかった。
しかし父親は、
頑として僕を連れて行ってはくれない。
見かねた従兄弟が、
僕をポートピア博覧会に連れて行ってやる!
と、言ってくれました。
僕は非常に嬉しかった!
その日から僕は、
ポートピア博覧会の会場を夢想し、
売店で売られているであろう博覧会グッズを想像し、
もしかしたらゴダイゴに会えるかも!
と、胸を高鳴らせていました。
1週間が過ぎました。
行って来た同級生の話を聞き期待は高まります。
1ヶ月が過ぎました。
テレビ中継で見る風景に自分姿を重ね・・・
数ヶ月が過ぎ、
ポートピア博覧会は終了してしまいました。
か、悲しかった・・・
大人が軽い気持ちでした気休めの約束。
そんなもの、
子供の世界じゃ一生残る傷なんです。
そんな風に過ごしてきたせいか、
”大人はいい加減な事を言うもんだ。”
”けっして他人に期待してはいけない。”
と、心に刻み育ちました。
そして、大人になった僕。
身近に子供が居なかったせいもあるんですが、
僕は子供と接するのが少し怖かった。
嫌いって訳じゃなく、
可愛いと思えるし、
遊んでやりたいとも思えるんですが・・・
もし、子供が何か僕に願い事をし、
僕が軽はずみに返事したりして、
僕のように悲しい思いをさせてしまうかもしれない!
と言う想像をしてしまう。
まぁ、
約束どころか、遊んでももらえないのが現実なんですけどね~
僕を苦しめるすべてのことから
守ってくれるのは、
案外、
子供の小さな手かも知れませんね。
今日も、
ちょっと気にし過ぎな僕のブログにお付き合い下さって、
ありがとうございました。
今回の写真は奈良県桜井市初瀬にある
只今、牡丹の花が見頃です。
そして、
こちらも少しは見頃かも・・・