こんにちは。
五月になってしまいました。
あちらこちらで、
鯉のぼりが気持ち良さげに泳いでいて、
平凡な青い空に季節感をだしています。
僕が小さい頃、
我が家にも鯉のぼりがあったんですが、
それは長男である兄の為に買われた物で、
僕の為にその鯉のぼりが上げられる事はありませんでした。
もの心ついて、
僕が物置でその鯉のぼりを見つけた時には、
鼠にかじられてボロボロ・・・
今時の家庭はどうなのか分からないんですが、
あの頃の田舎の家庭では、
長男は非常に大事にされ、
次男は結構ほったらかし。
長男である兄が赤ん坊の頃の写真は沢山あったんですが、
次男である僕の赤ん坊の頃の写真は、
たったの2枚。
年代順に僕の写真を並べると、
赤ん坊からいきなり大きくなっていて、
可愛い時期の僕の記録が残されていません。
か、悲しすぎる・・・
他にも、
兄の誕生日には近所の友達を招いて誕生日会が開かれましたが、
僕にはケーキすら買って貰えず、
来年はお前の為に誕生日会をやってあげる!と、
約束してくれましたが・・・
翌年、
僕の誕生日の当日、
誰もその日が僕の誕生日だとは気付かず、
当の本人も忘れる始末。
な、情けない・・・
兄はピアノを習わされたりしていましたが、
僕がそろばんを習いたい!
と、お願いしても、
これからの時代は電卓が普及するからそんなものは習う必要は無い!
と、一括。
た、確かにそうなったけど・・・
そんな、
こども時代を思い出すと泣けてくる、
こどもの日間近の僕のブログにようこそ。
こっそり兄の五月人形を、縁の下に遺棄した僕ですが、
今日も少しお付き合い下さいませ~
小学生の頃、
僕はよく家の縁の下に潜り込んでいました。
僕の実家は古い日本家屋で、
縁の下には、簡単に出入りできるんです。
何故そんな所によく出入りしていたのかと言うと、
飼っていた犬が、縁の下で仔犬を生んだからなんですよね。
僕は仔犬を見に、毎日のように縁の下に入っていました。
縁の下はヒンヤリとしていて、
ちょっとだけカビ臭いけど、
不快では無い土の匂いがします。
何故だかそこは、
僕にとって非常に心地良い場所に感じていました。
自分が住んでいる家なのに、
そのすぐ真下は別世界。
テレビを観てるばぁちゃんは、
僕がすぐ真下にいるのに気付かない。
それがとても面白かった。
それに、
小学生でまだ身体が小さかったから、
窮屈とは感じず、
ちょうど良い狭さでもあったんですよね~
でも、
縁の下ではだいたい四つんばいで歩くので、
ズボンのヒザ部分にすぐ穴が開いてしまい、
父によく怒られていましたね~
そんなある日、
飼っていた犬が行方不明になりました。
その当時、犬は放し飼いでしたから、
しばらく帰ってこない事はよくある事。
行方知れずになっても、
だいたい2,3日したら真っ黒になって帰ってくる。
その時もそう思って、
あまり心配していなかったんですが、
しばらくすると・・・
台所の何処かからか変な臭いがしだしました。
これは何の臭い?
と家族で首を傾げていたんですが、
臭いは一向に消えない。
そして臭いは日に日に強くなり、
確実に、何処かで何かが腐っているらしい。
古い家でしたから、
ネズミも結構住んでいる。
台所の押入れの奥でネズミが死んでるかも?
と、大掃除したものの出てこない。
そうこうしていたある日、
何気に見た台所の縁の下にある小さな通気口から、
ハエがたくさん出てくるのを発見。
そうか!
気付くのが遅かった。
懐中電灯を持ってきて、
恐る恐る小さな通気口の奥の縁の下を照らしてみると・・・
それは、それは、
えらい事になってました。
多分あれは行方知れずになっていた犬のようです。
あまりにも変わり果てていた為、
毛が白いって事でしか確認できませんでした。
さぁ、どうする?
厄介事は家族の長である父がやることになりました。
まずマスクを用意しました。
臭いが凄かったから、これは分かります。
そのマスクの上から更にタオルでマスクを覆いました。
まぁ、臭いがハンパなかったからしょうがない。
次に何故か僕のキャップ帽を要求する父。
何でそんなものが要るんだ?
疑問を投げかける僕に、
切れ気味に
”いいから持って来い!”
と、一括。
どうやら、縁の下は床が低い故、
髪の毛の寂しくなった頭をぶつけて怪我をしないように、
ガードする為らしい。
そして父は、帽子の次に何故か水中眼鏡を持って来いと言いました。
僕はこれはにはかなり疑問を持ちました。
何故?
しかし父は、
”いいからさっさと持って来い!”
の、一点張り。
僕が海水浴用の大きな水中眼鏡を持ってくると、
だまってそれを装着する父。
しかし、
鼻をカバーするタイプだったので、
すぐに曇って前が見えなくなる。
これじゃぁ駄目だ!
お前の水泳用のゴーグルを持って来い!
と、父。
さて、
被りきれていない小学生用の小さなキャップ帽。
ゴムがきつめでつり目ぎみのゴーグル。
マスクとタオルの二重層でガードされた口。
なんとも奇妙な出で立ちの父は、
いざ縁の下へと潜り込んで行きました。
僕のゴーグルは色が付いているので、
暗い縁の下では視界がとても悪くなる。
嫌なものを直視しないで済むけれど、
どうやら奥で頭をぶつけているらしく、
ゴン!
という音が聴こえるんですが、
意地でも痛いとは言わない父。
今思い出しても笑っちゃうかっこうでしたが、
何だか頼もしくもありましたね。
それ以来、
縁の下の入り口は板で塞がれてしまい、
僕のズボンのヒザも穴は開かなくなりました。
そんな事があった後、
次に心地良い場所を求めて物置を探検。
薄暗い物置の中を色々物色していると、
山と積まれたガラクタの隙間から、
結構な量の人毛が出ているのを発見。
ギョッとした僕。
僕はそこに生首が隠してあるんだ!
という思いにとりつかれ、
急いでその場から逃げ出しました。
そのあと、怖くて怖くて物置に近づけない。
それに、
それは誰の頭なんだろう?
そして、
そこに生首を隠したのはいったい誰?
ばぁちゃんなのか?
父親なのか?
それとも、兄の仕業?
もしかしたら、
兄は既に殺害され、そこに首を隠し、
兄によく似た別人が、兄に成りすましているのかも・・・!?
そんな妄想で家族全員を疑っていた僕。
数週間後、
意を決して再び物置に行き、
震えながらその毛を掴んで引っ張ると・・・
それは、
父親に内緒でばぁちゃんがこっそり買って隠していた、
高額なカツラでございました。
暗くて、狭くて、
何故だか落ち着くそんな場所。
カビ臭いのも素敵なもんさ
今日も最後までお付き合いしてくださって、ありがとうございました。
今僕が縁の下に潜り込んだりしたら、
色んなものがつっかえて、
出てこれなくなるかも・・・
まぁ、
それもいいかもね~^^
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