2015/05/21

瞳を投じて












もうすっかり夏になってしまった。
時間が経つことの速さをカレンダーで知る日々。

流れて行くわけでもなく、
消えて行くわけでもなく、
遠くへ行くわけでもなく。

カレンダーをめくり忘れたって時を止めることは出来ない。
この紙切れはただの観念で、

裏返すだけで何の意味も無くなってしまう。
破り捨てればただの紙切れになってしまう。
雨に濡れれば少しずつバクテリアに分解されてしまい、
あったことも忘れてしまう。

そしてまたカレンダーを見て、
時間がもうこんなに経ったのかと驚いてみる。


























































何処に行ったわけでもないのなら、
何故そばにいないのか。
ここにいる僕は表にある木々となんら変わりなく、
ただただ生きているだけだ。
新しい細胞が生まれては、
剥がれ落ちて行くだけ。
残っているのは記憶だけ。
その記憶の為だけに生きている。















































必要なものは内にある。
瞳を内に投じれば甘い記憶の中に皆がいる。
破り捨てた記憶も海風にヒラヒラ舞って、
たいした事じゃないと慰めてくれる。




















いつもここに訪れてくれてありがとうございます!