随分と寒くなってきた。
田舎道を歩けば、
風が耳元をかすめてゆく際に、
そこいらの野池に越冬するために集まりだしている水鳥の
鳴き声を届けてくれます。
どんな水鳥が居るのかと覗きに行くと、
僕の気配を察して一斉に空に飛び立ってしまった水鳥達。
のんびりくつろいでいた所を邪魔してしまったようで、
申し訳ない気持ちになった。
そんな気持ちも秋の風景。
街を歩けば、
いつだって人が沢山居て、
沢山の声や騒音が耳をかすめて行きます。
その中の音は何も僕の頭に残るものは無くて、
ただただ聞き流すだけ。
前を見ないで歩く人に行く手を阻まれ、
誰かの適当に持った鞄をぶつけられても、
スミマセンも聴こえてこない。
早すぎるクリスマスソングが何処からか流れてきて、
不快が増すばかり。
そんな気持ちも秋の風景。
何処を歩いていても、
秋は少し寂しい気持ちになる。
もうすぐ一年が終わってしまうからなのか。
振り返った今年がもう戻ってこない事を思い知るからなのか。
もしくは、
ただ木の葉がハラハラと舞い落ちるからなのか。
行く手に派手なクリスマスやお正月が待っているけど、
僕の気持ちはさして変わりなく、
ただただ、
つましい気持ちになるばかり。
そんな気持ちも秋の風景。
今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。