あたりまえのように雨が降っている。
あたりまえのように雨が止む。
あたりまえのように晴れわたり、
あたりまえのようにセミが鳴き出す。
普段生活している場所はとてもありきたりで、
ちっともめずらしく無い。
あたりまえのように布団を出て、
あたりまえのように歯を磨く。
あたりまえのように電車に乗って、
ありきたりの一日を始める。
季節が夏でも冬でも、
ありきたりは変わらなくて、
なんだかちっとも面白く無い。
幼い頃は小さなものが見えていた。
小さな音も聞こえていた。
それらはとてもめずらしくて、
ちっともありきたりじゃなかった。
遠い雲も、
小さな蜘蛛も、
みんな同じところで感じていたのに今は、
雲は空に、
蜘蛛は蜘蛛の巣の中に、
あたりまえのようにいる。
あたりまえのように日が暮れて、
あたりまえのように暑い一日が終わってゆく。
今日があたりまえのように過ぎたなら、
僕はきっと幸せなんだろう。
あたりまえが増えるほど、
ぼくは満たされてゆくんだろう。
今日も、
あたりまえのように赤い夕焼け空に、
ありきたりの夏が沈んでゆく。
今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。
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