秋が暮れ行き
奈良県を囲む紅葉した山々が
秋晴れの気持ち良い青空に映えています。
誰も摘み取らない柿の実ひとつ地面に落ちて
染みになる。
誰も気にしない僕のこめかみにも夏の名残りが落ちて
染みになる。
秋が更けて僕も老けて
やがて寒い冬になる。
もうすぐ今年も終わりだなぁ~
僕は洗濯が好きで、
特に洗濯機の中で洗濯物がグルグル回るさまを見るのが好きだ。
何故かは分からないけど、
気が付けばボ~ッとその渦を見つめている。
汚れが落ちていく様は見えないけど、
想像では汚れが繊維の間から溶け出して、
白いYシャツは眩しい純白に輝いている。
しかし現実は、
Yシャツの襟元には黒い汚れが残っていて、
うんざりするくらい他の洗濯物と絡まりあっている。
でも、
それらの洗濯物のシワを伸ばしながら、
部屋に渡した洗濯紐に干している時はとても気分が良い。
シャツや下着などを干し分けて、
バスタオルなどはハンガーを使ってテントの様に干す。
干し終えた時に手に残る柔軟剤の良い香り。
洗濯物が沢山あるほど終わった後の達成感も大きく、
大量に掛かっている洗濯物をしばらく眺めてしまう僕がいる。
でも、
そんなに活躍している洗濯機は結構汚れていたりする。
何時もは見てみぬ振りをしていたのに、
このあいだうっかり少し汚れを拭いてしまった。
汚れをチョット取るつもりが僕の性格だと止まらなくなる。
あっちを拭くとこっちが気になる。
こっちが綺麗になると、
そっちの汚れが目立ってしまう。
あれよあれよとお掃除スイッチがONになり、
終いには洗濯機を動かして床まで掃除しだしてしまった。
おかげでとってもスッキリした僕の洗濯機。
ふと見るとその上に、
数年前に故障してそのままほったらかしにしている乾燥機がある。
あぁ、
僕のスイッチはまだ入りっぱなしだ。
乾燥機を家の外に放り出しダメもとで分解修理を試みた。
後ろのカバーを空けてみたが異状はない。
ような気がする。
故障の症状としては、
回転はするんだけど乾かない。
ならばヒーター部分が壊れているんだろうかと思い、
ヒーターだろうと思うところを分解してみる。
が、
異状はないような気がする。
ヒーターは薄く丸いネット状になっていて、
そこを風が通りドライヤーのように温風を出すようになっている。
だから、
ネット部分にはホコリガ結構詰まっていたりする。
だから、
パソコン用のダストブロワーで埃を取り、
もう一度組みなおしてスイッチを入れるが、
ドラムの中は温かくならない。
しかし、
ヒーター部分は暖かくなっている。
もしやと思い蓋を閉めずに稼動させて見ると、
ドラムは回転しているが風が出ていない。
どうやらファンが潰れているみたい。
もう一度後ろのカバーを外して中を良く見ると、
隅のほうにファンとモーターを繋ぐベルトが切れて落ちていた。
こんなベルトは売っているんだろうか?
とりあえずベルトのサイズを測り近所のホームセンターに行くも、
20年以上も前の乾燥機に会うベルトなんか置いてはおらず、
久し振りのホームセンターに時間を忘れてしまい、、
1時間ほど見学してしまった。
代用できる物も見つけれず帰ってきて、
もしやと思い実家にある今は使ってない父の小さな工場に行って、
代用品を探してみたら、
使ってない工業用のミシンのベルトがちょうど良く似たサイズっぽい。
とりあえず外して持ち帰り乾燥機にはめると、
ちょっと大きい。
けど、回らなくもない。
ダメもとでカバーを付けて乾燥機を回すと、
カタンカタンと異音が出るけど温風は出てきた。
試しに洗濯したてのパーカーを放り込み、
30分ほど回してみる。
異音は最後まで鳴り止まなかったけど、
爆発する事もなくパーカーはちゃんと乾いていた。
これで後しばらくはこの乾燥機は使えそうだし、
僕の家に乾燥機付きの洗濯機が来る事もしばらくはないだろう。
整備したり修理したりした物には愛着がわく。
変な音がしたり、
時々分けも分からず止まったりしても、
まだ何とか動いてる僕の乾燥機や洗濯機。
ガタピシ加減はまるで自分みたいで、
なんとも憎めない。
最期はいつだって突然だ。
明日かもしれないし、
もっともっと先の事かもしれない。
先の事はだいたい見当が付くんだろうけど、
本当はいつだって出たとこ勝負だ。
先を見越しているつもりでしている事が、
必ず先で役立つとは限らない。
でも僕達は先を考えてしまい、
不安になったり、
悲しくなったり。
夜になって冷たい雨が降ってきた。
この雨にやられて気分はふさいでしまう。
だから、
気晴らしに洗濯をしたいのに
こんな夜に洗濯できないなんて
こんな夜に乾燥できないなんて
今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。