2015/07/03

夏の齢











とても小さかった稲の苗が、
一まわりほど大きくなり、
湿気をふくんだ風にチロチロと揺れています。
今日は朝から近所の庭木でセミが鳴きだしました。
夜になればカエルや虫が鳴きだし、
ときおり何かの音に驚いた水鳥が、
猫のような鳴き声をあげて飛び去って行きます。

しんとした田舎の風景だけど、
そこかしこで、
モゾモゾ、ゾロゾロ、グニャグニャと、
色んな生き物がうごめいている。
家の中でも、
カサカサ、コソコソ、カリカリと、
想像もしたくないものが走り回っているだろう。

夏は騒がしくとても落ち着きがない。
そしてとても下品。
みんな何かを得たくて、
カサカサ、モゾモゾ。
夏はとても動物的。
生きてる分だけ何かを探してる。
















































僕も何かを探してる。
それを見つけて満たしたい。
これなのか、
昨日のあれなのか、
満たしたつもりなのにもうなくなっている。
これじゃないんだろう、
あれじゃなかったんだろう。
































































何時もの畦道、
何時もの小道。
何時もの細道、
何時もの坂道。
何時ものようで、
何時もと違う。
雨が降るたび、夏が終わるたび、
何時もに何時もが重なってゆく。
僕の記憶にも日々が重なり、
ずいぶん違うものになっているかもしれない。

ムッと蒸して雨が降り出して、
そこいらが雨に白く煙る。
部屋に湿った風が流れ込み、
忘れていた小さな記憶を思い出す。

探しているものなんてそんなものなんだろうなと、
窓をしめた。


















今日も最後までお付き合い下さってありがとう!










♪ 夏の終わり  森山直太郎










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