2014/12/24

12月の雲













朝、
とても寒くて目が覚める。
暖房を付けた部屋のくもった窓ガラスが、
外の世界を灰色に思わせます。
でも、
窓を開けるとクリームソーダのような淡い青空で、
白い雲がアイスクリームみたいに溶けている。
吐いた白い息が空に溶けて、
アイスクリームに混ざり合う。
あの雲は、
何時かの僕が吐いた息。
その雲は、
何時かのあなたが吐いた息。
混ざって千切れて、
雪になる。
風に吹かれて、
雨になる。
何時かの僕の雲は溜息で出来ている。
何時かのあなたの雲は吐息で出来ている。





























































世間はクリスマスだ。
人が居る分だけクリスマスがある。
何も無い人もいるだろう。
関係ない人もいるだろう。
幸せを感じている人もいるだろう。
悲しんでいる人もいるだろう。
落胆している人もいるだろう。
ずっと笑っている人もいるだろう。
ちょっと泣いてる人もいるだろう。
誰かとといる人もいるだろう。
独りぼっちの人もいるだろう。


















































窓を開けると、
皆がはいた息が空に混ざって曇り空。
悲しい雲、
幸せの雲、
やせ我慢の雲、
何でもない雲。
混ざって、
千切れて、
今夜はどうやら雨模様。























今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。


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2014/12/19

知疑り











僕は僕をたいして知らない。
僕はあなたをたいして知らない。
僕は世の中をたいして知らない。
僕の知っている事なんて大きな海に例えたら、
波しぶきのほんの一滴ぐらいなものだ。
世の中は刻一刻と僕の知らない世界に変わってる。
海水が盛り上がり岩に砕けるごとに、
僕の無知が増してゆく。

冷たい風が僕の耳を千切ってゆき、
海鳥が強い風にもまれながら飛んでいる。
遠くの波の音と、
足元で砕ける波の音。
顔にかかった波しぶきが風で乾いて、
海の臭いがほのかに香る。

岩の上に立つ僕は、
今この瞬間の海を知っている。
今この瞬間の海鳥を知っている。
今この瞬間の海の匂いを知っている。

あなたからすればどうでもいい事だ。
でも、
どうでもいいさかげんは、
世の中に溢れる知とたいして変わらない。

岩の上に立つ僕は、
たいしたのとのない事だけしか知らない。















































僕はたいして知られていない。
世の中には人がごまんといる。
都会に出かければ、
電車の中だけでも沢山の人がいて、
駅に着けばさらに人が増える。
知らない人ばかりが密集している。

旅をすると、
車窓を流れる風景の中に沢山の家や町並みが見て取れる。
そこにも沢山の人がいて、
沢山の生活がある。

僕が知らないその人達は、
僕が知らない誰かの大事な人なんだろう。
僕が知らないその人の人生は、
とても大事でキラキラしたものなんだろう。
でも、
僕はそれを知らない。
冬になり皆だいたい似たような色の装いで、
僕も似たような装いで、
人の波にもまれてる。

大きな山に例えたら、
僕なんて土くれの中の小さな砂粒一つだ。
無くなったって気にもされない。

でも、
僕にも大事な人はいる。
多分、
僕も大事に想われている。

砂粒みたいな僕も陽の光に照らされれば、
少しはキラキラしているかも知れない。











































僕は僕をたいして知らない。
でも、
あなたは僕を結構知っているかもしれない。
何故なら、
僕は僕の顔すら見る事が出来ないから。

あなたの顔を見る事が出来る僕は、
結構あなたの事を知っているかもね。


















今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。


久々にイラストを描きました。
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ダーク・ブランコ  Dark Blanco



♪ 契り  五木ひろし