2014/10/31

つましい気持ち








随分と寒くなってきた。
田舎道を歩けば、
風が耳元をかすめてゆく際に、
そこいらの野池に越冬するために集まりだしている水鳥の
鳴き声を届けてくれます。
どんな水鳥が居るのかと覗きに行くと、
僕の気配を察して一斉に空に飛び立ってしまった水鳥達。
のんびりくつろいでいた所を邪魔してしまったようで、
申し訳ない気持ちになった。

そんな気持ちも秋の風景。
































































街を歩けば、
いつだって人が沢山居て、
沢山の声や騒音が耳をかすめて行きます。
その中の音は何も僕の頭に残るものは無くて、
ただただ聞き流すだけ。
前を見ないで歩く人に行く手を阻まれ、
誰かの適当に持った鞄をぶつけられても、
スミマセンも聴こえてこない。
早すぎるクリスマスソングが何処からか流れてきて、
不快が増すばかり。

そんな気持ちも秋の風景。




































何処を歩いていても、
秋は少し寂しい気持ちになる。
もうすぐ一年が終わってしまうからなのか。
振り返った今年がもう戻ってこない事を思い知るからなのか。
もしくは、
ただ木の葉がハラハラと舞い落ちるからなのか。

行く手に派手なクリスマスやお正月が待っているけど、
僕の気持ちはさして変わりなく、
ただただ、
つましい気持ちになるばかり。

そんな気持ちも秋の風景。














今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。

















2014/10/24

曇り空、ひとりで








窓を開けるとツンと寒さが鼻に刺さるうす曇りの朝。
何処かで籾殻を焼く香ばしい香りが漂ってきた。
秋の深まりに嗅覚を撫でられ、
くしゃみ一つ。

































刈り取られて色を失った田んぼが、
草生したあぜ道で緑色に縁取られている中に、
落穂を求めて来た三羽のカラスが黒々と、
秋の風景の絵になっている。
























物悲しく鳴くカラスの声が陰鬱な曇り空に映えて、
秋は僕の心に沁みてくる。