2014/07/28

カンシャーダ!!!







こんにちは。
暑さがうだる今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか?
鉄のサビを擦り合わすような蝉の鳴き声が、
開け放した北側の窓からも南側の窓からも聴こえてきて、
部屋の中がまるで森の中のように騒がしい。

そんな窓の外では、
夏の摩擦熱に温められた地面から温かい空気が舞い上がり、
上空でスクスク育つ積乱雲。
終いに耐え切れなくて落ちてくる大粒の雨。
あたりに雨の匂いが立ち込めて、
サーッと気温が下がりだし、
蝉もじっと黙ってる。
雨足が強くなり、
パタパタ、
ザアザア。
それは只々やかましいだけなんだけど、
なんだか静か。
遠くの雨、
近くの雨。
瓦屋根を叩く音、
トタン屋根を叩く音。
タンタン、
トントン。
雨は落ちて来る時は静かだけど、
着地するとやかましい。
ちっぽけな雨粒が大勢で大騒ぎ。
なのになんだかとっても静か。
しばし喧しい静けさに包まれる。
でも、
しばらくすると静けさは去り、
何もなかったかのように空が晴れ上がる。
すると、
途端に蝉と暑さが騒ぎだす。

はぁ~、
 夏はどの道騒がしい。









































先日、
大阪に住む友達の家に遊びに行った時の事。
近所のスーパーへ夕飯の買出しに出て、
買い物を終え友達の部屋に戻り、
着替えようとポケットの中の物を出した僕。
携帯電話、
自転車の鍵、
え~っと、
お終い・・・・。
あれっ?
確か財布を持っていた筈。
もう一度ポケットに手を突っ込むんですが、
出てきたのは何時ぞやのひしゃげた爪楊枝のみ。
あれ?
あれっ?
あれれっ?
あれれれっ?
はぁぁぁぁぁぁぁ~~~~っ

財布が無い・・・!

頭の上にあった血液がつま先まで急転直下で落ちてくる。
その時の僕の行動は、
見るも無残。
なんとも情けない狼狽っぷり。
ポケットを何度も何度もまさぐり、
ダメ押しにポケットを上からパンパン叩くも、
ひしゃげた爪楊枝がさらにひしゃげるだけで、
財布は何処からも出てこない。
友達の部屋の中をキョロキョロ見回し、
床に這いつくばって床の上を探すも、
出てきたのは何時ぞやの干からびたレーズン一粒。
ダメもとで、
ソファーでくつろぐ友達を押しやって、
ソファーのクッションの隙間をまさぐるも、
出てきたのは何時ぞやの汚れた靴下が一つ。
汚れた靴下を友達に投げつけ、
部屋を飛び出した僕。
自転車にとび乗り、
今帰って来た道を猛ダッシュで戻る僕。
ちょっと変なんですが僕の財布は金色。
黒いアスファルトの上に落ちていれば良く目立つ・・・ハズ。
目を凝らして路上を見ながら自転車をこぐと、
向こうの方に何か金属色の平たいものが落ちている!
意気揚々と近づくも、
落ちていたのは車に轢かれてペタンコにひしゃげた、
エナジードリンクの空き缶一つ。
平素より人通りの多いその道。
ハッキリ言って絶望的でした。
スーパーまでの道のりに金色に輝く財布は落ちておらず、
スーパーの店内にも落ちてない。
レジのお姉さんに
「財布落ちていませんでしたか?」
と、訪ねた僕は日本が沈没したような顔をしていたでしょう。
予想通り店にも財布は落ちておらず、
美しい夕焼けに染まる帰り道、
僕の頭の上だけ黒い雲が渦巻いて、
情けなく禿げた僕の頭の上にポッポッと黒い雨が降っていました。
友達の部屋に戻ると、
「どうやって落としたの?」
「何処に入れてたの?」
と、誰しもがする質問をされましたが、
答える気力はありません。
それが分かればどうなるのか?
知らない間に落ちた訳だから、
どうやって落としたかなんて分かるはずがない。
友達にあたってしまいそうになる気持ちをこらえ、
分からないとだけ答えて、
友達に謝って近くの警察署に出かけました。
















































近所の交番に警官がいるのを見たことが無かったので、
さっさと最寄の警察署に言った僕。
その時、落し物係の窓口に立った僕は、
世界の終わりみたいな顔をしていたでしょう。
さて、
無愛想なおじさんが受付するのかと思いきや、
若いお姉さんが受付してくれて、
ひしゃげた心が少し和らいだ僕。
まずは財布の色と形を説明。
財布の色を金色と答えると、
「金色?」、
「金ってあの金の色?」
と、お姉さん。
「そうです、」
「少し剥げてきてますがキンキラの金です。」
金色の財布ってのはあまり無いんでしょうか。
それから中に何が入っていたのかと聞かれ、
あらためて中身を思い出す。
運転免許
健康保険証、
ツタヤカード(ポイントが3000円もある!)、
ヨドバシカメラのポイントカード、
歯医者などの診察券、
どっさりあるポイントカード、
そして、
普段は入れてないのにその時たまたま偶然入れていた銀行のカード。
思い出せるのはその程度。
現金は?と、聞かれ、
確か2万5~6千円ぐらい入っていたような・・・
ハッキリとは覚えていなかった。
しかし、
ここであんまり多めに金額を言うのはいけない気がした僕。
もし誰かが拾ってくれたとして、
僕の提示した金額が多めだったとすると、
拾った人に対して変な嫌疑がかかるかも。
思い出せ僕。
多分2万円は確実だったのでそう答えました。
書類に住所、氏名、電話番号などを書き、
ようやく落とした場所を聞かれました。
しかし、
自分が住んでいる町ではないので番地などが分からない。
地図を見てもちょっと分かりにくい。
お姉さんに、
「消防署のある筋はこれ?」
と、聞くも、
「私もこの辺のもんじゃないから分からない。」
だそうです。
スーパーの名前は?と聞かれ、
C&C エンド商事と答えると、
エンドウ?と聞き返すお姉さん。
おかげで、
しばらく僕の頭の中にエンドウ豆がグルグル回ってしまいました。
お姉さんは自分のスマートフォンでエンド商事を検索し、
ようやく住所を突き止めてくれました。
僕からの情報を全て告げると、
パソコンでその情報を入力するお姉さん。
お姉さんが打ち込む傍ら、
「やっぱり出てこないですよね~」
と、つぶやく僕。
これからしなければならない無数の手続きを想像していた僕は、
地球の終わりみたいな顔をしていたでしょう。
その時、
入力していたお姉さんが、
「財布にクオカード入っていました?」
と、僕に尋ねました。
クオカードを忘れていた僕。
「はい、入れていました。」
「ギフトカードも入ってました?」
と、さらに尋ねるお姉さん。
確かに、ギフトカードのことも忘れてた。
「はい、それも入れていました!!」

「届いてますよ。」
!!!!!
「ほんとですか?」
「今入力した情報は全て一致してますし、
財布の色も金色です。」
「よかったですね!」
あぁ~、
僕の頭の上で渦巻いてた黒い雲が晴れ、
目の前のお姉さんから後光が差してきました。
その時、
後光に輝くお姉さんの顔は、
堺正章の西遊記と言うテレビドラマで、
高峰三枝子が演じたお釈迦様のように崇高に輝いていました。













































その日は財布を受け取る事が出来ず、
受け取りは翌日との事。
友達の部屋に帰って散々騒いだ事を詫びると、
一気に身体の力が抜けてしまいました。

翌日、
警察署に行って財布を確認。
現金も何もかも無事に戻ってきました。
拾ってくれた方は女性の方で、
警察署で名前と電話番号を教えて貰いました。
昼時にその女性に電話すると、
電話の向こうから優しい声が聞こえてきました。
僕がお礼を告げると、
僕が無事警察署で財布を受け取ったと知り、
「よかったですね」
と、またしてもお釈迦様のような優しい言葉。
ここにも高峰三枝子が御座しました。
(僕は高峰三枝子が好きだったんでついね・・・)

夏の暑いさ中に、
人の優しさに癒された僕。
人の美しさとは、
見た目の事ではなく、
行動が人の美しさを決めるんだなと再確認。
そして、
感謝の気持ちで一杯です。

現実には存在しない理想的な社会をユートピアと言いますが、
ほんの些細な事でユートピアは実現できる筈。
しかし、
なかなかどうして、
はるかな世界。















今日も最後までお付き合い下さってありがとうございました。




こちらでイラストのブログをしています。
最近は中々描けていませんが、
よかったら覗いてみて下さい。

ダーク・ブランコ Dark blanco




ガンダーラ  ゴダイゴ













2014/07/10

風でひとりに 










激しい雨や風が町や山を通過して行く。
無数にある木の葉が舞い上がり、
どこか知らない所へ運ばれて行く。
大きな木が倒れたら、
それなりに気にしてもらえるけど、
小さな木の葉は誰も気にしない。
5メートル先に飛ばされようが、
10キロ先に飛ばされようが、
誰も気にしない。
足元に落ちている木の葉は、
遠路はるばる隣の町から飛んで来たものかもしれないけど、
僕は当たり前のように踏んづけている。
何処かの家の庭で植えられて、
大切の育てられていたかもしれない植え木の葉っぱかもしれないけど、
べっとりと僕の靴の裏に張り付いている。
木の葉に想いなんか乗らない。
気にしなければただのゴミだ。
手を振るように風に揺れたって、
飛ばされてしまえば、
あったことすら忘れられる。
枝にくっ付いて、
揺れてるうちが葉なのか。






   














































丸い葉、
長い葉、
細い葉。


緑色の葉、
赤い葉、
黄色い葉。


若い葉、
硬い葉、
破れた葉。



















































最後は飛ばされ忘れ去られる。
最後は腐って朽ち果てる。
何処かの、
何時かの葉と重なって、
枯れて腐って、
土になる。

次の誰かの糧になるとか、
クソくらえだ。












今日も最後まで見てくれて、
どうもありがとう。