2014/05/16

目を閉じて老いてよ









春というにはちょっと暑く、
だからと言って、
夏と言うにはちょっと涼しい。
日中、
少し歩くだけでじんわりと汗ばんできますが、
木陰に入ればす~っと汗がひく。
なんとも完璧に近いこの陽気。
後少し経てばジメジメした梅雨のシーズンが来てしまうなんて、
想像したくない。
















低い空をツバメが飛び交い、
近所では田植えの準備が始まりだしています。
この風景は毎年判を押したように繰り返されています。
その見覚えのある風景が、
去年や一昨年の記憶と混ざってしまい、
時間の感覚がとても曖昧になってしまう。
僕はたった今の出来事を見ているようで、
記憶のなかの何時かの風景を同時に見ている。
1年前なのか、
5年前なのか。
でも、
去年見た風景と今見ている風景は、
さして似てもいないかもしれない。




























毎日顔を逢わす人。
毎日同じ顔をしているようで、
本当は刻一刻変わり続けています。
今見ている顔と、
10年前のその人の顔とはずい分変わっているはずなのに、
記憶の中で混ざり合ってとても曖昧。
昔の顔を覚えていると思っても、
それは古い写真から得た最近の記憶なのかもしれない。


































頻繁に顔を逢わすから覚えているけれど、
長く顔を逢わせていないと、
記憶の中の顔を思い出せなくなってしまう。
たまに、
十数年前に死んだ父親が夢に出てくるけど、
夢の中の父親は顔が無い。
父親と言う存在だけで夢に出てくる。
顔が見たいけど、
見えない。
なんとももどかしく、
なんとも切ない。
古いアルバムを開けばいつでも合えるけど、
夢の中には顔がつかない。
見えているようで、
何にも見えない。












































長く生きれば生きるほど、
顔の無い記憶が増えてくる。
遠くへ離れた人の顔は重要ではないのか、
日々逢えないと、
全ては記憶の奥に沈んでしまう。

でも不意に、
ちょっとしたきっかけで浮かび上がって来る事がある。

目を閉じたら記憶しか見えないけど、

馴れた指より そこがどこかわかるから、

ちょっと嬉しかったり、
ちょっと切なかったり。













今日も最後までお付き合い下さってありがとうございます。



こちらでイラストを描いてます。
良かったら覗いてみて下さい^^

















2 件のコメント:

  1. Magníficas!
    Un abrazo.

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    1. Hola Balamgo!
      ¡Muchas gracias!
      Siempre estoy agradecido a su consideración! :-))))))!!!
      Un abrazo.

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